人は誰でも年を取って老いていきます。

これは避けられません。

生きていくためには「食事」はとても大切です。

もし、あなたの身近で大切な人が「食事がたべられない」ということになったらどうでしょうか?

心配ですよね?

 

ここでは高齢者の方の食事が食べられない原因や対処法についてお話します。

高齢者の方の食事が食べられない原因は?

原因は大きく2つに分けられます。

1.食べたい気持ちはあるけれど食べられない

2.そもそも食べたいと思わない

 

1についてですが

①年を取ると、味覚や臭覚が衰えてきます。

よく「こんな辛いお味噌汁、よく飲めるね~」というくらい塩辛いものでも平気で食べるようになったりします。

基本的に「甘み」はあまり極端には衰えませんが、塩辛さ、酸味、苦みといったものは衰えやすいと言われています。

私の母は認知症ですが、以前利用していた介護施設の食事の味付けが母には合わず(母が言うには「薄すぎる」とのこと)施設の栄養士さんを含め私たち家族も本当に苦労しました。

また、臭覚も衰えてきます。

このために「美味しそうなにおい~」という食欲をくすぐられにくくなるのも影響してきます。

②口の中のトラブル

一番多いのが「入れ歯が合わない」です。

入れ歯はプラスチック製で口の粘膜よりははるかに硬いものです。

口の粘膜は生き物なので、いつも同じ状況とは限りません。

ちょっとした傷ができていても入れ歯は痛くてはめられなかったり、はめられるけれど噛めない、ということがよく起きます。

私の母は入れ歯ではありません(治療を拒否するため、歯が何本か残っている状況)。

治療を必要とする歯もありますが、本人の意志で現状維持です。

それでもたまに歯が痛くなる(痛いほどではないが、なにか違和感がある)ようで、そういった時は食事を拒否しています。

また、年を取るにつれて、唾液の量も減ってくるようです。

唾液が減るとうまく食べ物を飲み込めなくなったり、口が乾くので、口の中に傷ができやすくもなります。

③飲み込みのトラブル

嚥下(飲み込むこと)が年とともにうまく出来なくなっていきます。

現在の私(55歳)でもちょっとしたことでむせ込んだりすることが出てきました(;’∀’)

この嚥下にトラブルが起きると、固まりの食べ物が上手く飲み込めなくなってむせ込んだり、せき込んだりすると本当に疲れてしまいます。

④持病のため

老人性のうつ病、がん、胃腸障害、風邪

⑤飲んでいる薬の副作用

抗がん剤、認知症治療薬(アリセプト)など

 

2についてですが

一番多いのが「認知症」によるものです。

認知症に罹ると、進行の程度にもよりますが「食べ物かどうかが分からない」という状況も出てきます。

「お腹が空いた」という感覚がよくわからない、箸やスプーン、フォークの使い方、お手拭きの使い方がわからないといったことも出てきます。

食べ物を噛んで飲み込む、という動作もよくわからなくなるといった状況にもなっていきます。

 

高齢者の方の食事が食べられない時の対処法は?

いくら栄養バランスが取れていても高齢者の方に食べてもらえなければ、意味がありません。

食べなれた食材を使う、季節感の出るメニューにする、味のメリハリをつけるといったことが大切です。

また、基本的に食事は柔らかくしましょう。

飲み込みやすくとろみをつけたり、あまり噛まなくても食べられるミキサー食なども場合によっては取り入れるべきです。

 

認知症の方は、食事を飽きるのも早いのでできるだけ短時間で食べられるようにすることも大切です。

食べ物で遊ぶようになったら、無理強いせずに食事を終了することも大切です。

また、食事を拒否したからといって怒ったりはしないようにしましょう。

誰でも怒られる、というのは自己肯定感を低めてしまいますよね?

全く食べられない、というときは病院受診することをお勧めします。

 

大切な人の食事が食べられないのは本当に周囲もつらいものです。

一人で悩まずにプロ(介護の方、配食サービスなど)に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。

お互いに笑顔でいられるようにしましょう。