春は本当に花の多い季節ですよね。
日本の象徴的な「桜」に始まって、チューリップ、タンポポ、ヤマブキなど、本当にたくさんの種類、色も鮮やかに咲いて私たちの目を楽しませてくれます。
何気に知っている気になっていることは意外に多い
私は高校生になってすぐ、生物の先生から「自宅~学校までの間でタンポポを採取してきてください」という課題が出されたのを今でもはっきり覚えています。
高校入学して一番最初の生物の授業なので、ちょうどこの頃(4月中旬)です。
私は、地元の中学校からはあまり行かない(交通の便が悪いため)高校に入学したので、「君の住んでいるところのタンポポをぜひ採ってきてください」と言ってもらい、猛烈にやる気を出して採取に行ったのです。
その生物の先生はタンポポで大気汚染を調べておられました。
「私の地元のタンポポを絶対採取して持っていく!」と張り切ったものの・・・
今の子供なら「タンポポがわからない(実際に見る機会が少ないため)」でも全然不思議じゃないと思うんですが、約40年前の私が高校生の頃「タンポポを間違える」という子供は少なかったかもしれません。
私は自宅の近所を探しました。
しかし「タンポポとはこういったもの」というはっきりしたことを知らなかったので「黄色い菊の小さいような花~」というくらいのレベルで探し始めたので、見つからなかったのです。
自宅近所には山があるので、とうとう山へ探索へ行くことにして「黄色い花、黄色い花・・・」と思って探しているとやっとのことで小さくて黄色い菊のような花(ハルノノゲシ)を見つけて摘んで帰ったのです。
「これを明日、学校へ持って行こう!」と意気込んでいると、仕事から帰宅した母が「まあ、可愛らしいハルノノゲシね~」というのでびっくりです。
母は田舎育ちで、野草などにも詳しかったので次の日の早朝タンポポ採取に付き合ってもらいました。
ハルノノゲシもタンポポも同じキク科、タンポポ属の植物のようで、花だけ見るとかなり似ています。
しかし、決定的な違いは「花が根元から1本の茎に1輪だけつける」ということです。
1本の茎から何輪も花を付けたりはしないのです。
今ならあの時、母から通勤前の忙しい時間に一緒に行って探し、教えてもらったので間違えることは無いのですが・・・
こういったこと、結構日常的にありますよね?
そろそろ道路の端っこにタンポポを見かけるようになって思いだしました。
タンポポで大気汚染がわかる
高校の時の生物の先生の研究で、空気のきれいなところには「在来種(日本に元々存在してたもの)の白色、黄色のタンポポ」が咲き、大気汚染が進んでくると外来種(元々日本にはなかったが海外から持ち込まれたもの)の「西洋タンポポ」が咲くということです。
在来種と外来種の見分け方は花を支えているガクの部分に違いがあります。
花びらに沿うようにガクが付いているのが在来種。
花びらから離れて下にカールしているガクが付いているのが外来種だそうです。
また、在来種は花の茎の高さが低く、開花の時期も「春」限定ですが、外来種は比較的花の茎の高さが高く、開花の時期も初春~夏までと長いといった特徴があります。
私は高校生の時、生物の授業で標本(在来種の白色タンポポと黄色のタンポポ)を見ただけで、いまだに在来種の実物にはお目にかかったことがありません。
気が付いたときには花のガクを見るようにはしていますが、すべて外来種の西洋タンポポです。
「このタンポポは在来種かな?外来種かな?」と思いながらお散歩してみるのも楽しいものですよ。