私は現在55歳です。

まだ「高齢者」ではありません。

「高齢者」とは、WHOの定義でも65歳以上の方をさします。

 

高齢者の方とお話をする機会が多い職業は?

何と言っても「介護士」ですよね。

人間、誰しも年を重ねるごとに、身体のあちこちに調子の悪いところが出てきます。

「私はだいじょうぶ!」と思っていても、確実に身体は「老化」をしていきます。

そうした「老化」によって劣ってしまった機能をまた盛り上げることは残念ながらできません。

しかし、自分一人ではどうにもならなくても、誰かの手を借りることで助かることはたくさんあります。

そうした「助け」の部分を担ってくれるお仕事が「介護士」です。

 

その他にも各自治体の「高齢者担当窓口」の方、訪問診療をしておられるお医者さん、訪問歯科診療をしておられる歯医者さん、訪問看護をしておられる看護師さん、訪問リハビリをされる理学療法士さんや作業療法士さん、鍼灸師さん、整体師さんなど、高齢者の方と接する機会が多い職業は結構あります。

 

高齢者の方とお話しをする内容はどのようなものが良いでしょうか?

初対面の高齢者の方にいきなり挨拶だけして治療やお仕事に入るのも、どうんなものでしょう?

「調子はいかがですか?」とか「今日は朝冷えましたが大丈夫でしたか?」など何か一言添えてもらえると、その場が和みますよね?

こうした心遣いが必要になってきます。

 

私も以前高齢者の方にかかわるお仕事をしていました。

例えお話ができられなくなった高齢者の方にも「今日は暖かくなりましたね~」などと声掛けをしながら対応させていただいていました。

初対面の高齢者の方でも、こうした気候や季節のことをあいさつに使うと、少しずつ距離を縮めることができました。

最近は核家族なので、高齢者の方と接する機会が少なくして大きくなってしまっておられる方も多いですよね。

そういった方が「高齢者」の方を主に対応するお仕事に就かれるのは本当に大変だと思います。

私は生まれた時、父方の祖父母、叔父が同居する大家族だったので、年長者の方に対応することが苦にはなりません。

 

高齢者方が喜ぶ話題をいくつかご紹介します。

1.身体や健康のこと

2.若い頃のことなど思い出話

3.生活の知恵

4.住んでおられる地域の話

5.趣味や得意なことなど

 

高齢者の方とお話するときの注意点は?

高齢者の方は、自分のおじいさんやおばあさんではありません。

「おじいさん」「おばあさん」といった呼び方はしない方が良いです。

認知症の方で「○○ちゃん」とお呼びするほうがご本人が「自分のこと」とわかりやすい場合などは、そういった呼び方をする場合もありますが、基本的には姓でお呼びするのが良いと思います。

また、お話があまりお好きでない方もいらっしゃいますが、誰でも「自分のこと」を聞いてくれたら結構しゃべりたくなるものですよね?

お話していただくくようにこちらから話しかけておいて「聞く気はない」といった態度を取るのもよくありません。

時間の都合とかがあったら、きちんと「申し訳ありませんが、次の方がいらっしゃるので続きは次回聞かせてくださいね」と言って切り上げましょう。

私はお一人ずつお話の内容を簡単にメモしていました。

次回伺ったときに「前回、ここまでお話を聞かせていただいたんですが、続きをお話していただけませんか?」というとたいていは「そんなことまで話しちゃったかしら・・・」とか言いながら嬉しそうに続きをお話してくださいます。

ただ、高齢者の方とお仕事で接する場合は「時間の制約」は避けられません。

上手に話題を提供し、上手に話を切り上げるスキルも必要になってきます。

私も最初は何度も時間オーバーで困りましたが、だんだん切り上げ方もうまくなって行きました。

 

忘れてはいけないことは「人」を相手にしているということです。

自分がされて嫌なことは高齢者の方だって嫌なのです。

このことを忘れないようにしましょう。